カローレによる即日審美対応

32欠損に起因する空隙歯列による審美障害ケースです。

 

41~33形成~Brでしょうか?
それとも矯正後にナローインプラントでしょうか?
ラミネートベニアでしょうか?

 私はこのケースにおいてダイレクトボンディング+CRにて歯冠形態の修正を行うことで、即日で対処しました。

つまり、まったく削らず、矯正やインプラントも使用することなく、しかも即日で患者さんの悩みを解決することが可能です。

しかも、いずれの処置より圧倒的に侵襲性が低く、経済的負担も低く抑えることが可能です。

まず患部周辺の清掃を行います。
清掃にエアフロー+グリシンパウダーによる清掃で確実にプラークを除去します。

ダイレクトボンディングであるため、歯牙の切削は不要です。
そのままラバーダムを装着し、CR処置を行います。

エッチングはノンカットエナメル(切削していないエナメル質)であるので、少し長めにかけた方がより接着します。

その後ボンディングを塗布します。ボンディングは被膜厚さの薄いものを選択した方が審美的に仕上がります。
充填の際には「トランスペアレント・マトリックス」を使用しております。これが優れもので、かなりのケースに応用可能な万能マトリックスです。

このケースにおいて事前にシリコンコアを作成するのも一つの方法ですが、即日で対応可能であると判断しました。

まずは31・33を終了させました。こういったケースではオペーク色の選択が重要です。

今回のケースでは十分な厚みを確保することができましたので、A03を遮蔽色として使用しましたが、CRのボリュームが薄くなってしまう場合(classⅣなど)はあえてBWやXBWのような強い遮蔽力のあるオペークを使用します。
続いて41の形態修正に移ります。

このようにクランプを使わない方法もあります。今回のケースでは麻酔を使用していませんので歯肉を挟むと痛いです。

学生実習で痛い思いをされた先生も多いのでは(笑)。クランプを使用しなくてもラバーダムは可能です。

ちなみに審美修復の際には複数歯を露出させたほうが断然処置がやりやすいです。

全体的なバランスの確認が可能であるうえ、器具の操作もクランプに邪魔されません。

充填後です。3に突出感があるのですが、ガイドしているうえに、患者さんが削合を望まなかったためこのまま残しました。
研磨は光るまで行います。表面粗さが0.4μm付近から肉眼的に光って見えるようになるので、ガッチリ研磨しないと光りません。

GC社(カローレ、MIシリーズ)、トクヤマ社(エステライト)、3M社(シュープリーム)などのナノフィラー複合タイプのCRでは滑沢に仕上がります。

ホワイトポイントやシリコンポイントM2あたりで終わらせるだけでは、実は表面はかなり塑像です。

 

術後

術前



術後の写真です。このように近年のCRは物性の向上によりう蝕処置にとどまらず、さまざまな処置へ応用可能です。

今回のケースにおいてBrやインプラントなどの侵襲性を伴う処置ではなく、ダイレクトボンディングで対応できたことはミニマル・インターベンションの観念において非常に有意義であると考えています。
またダイレクトボンディングでは患者さんの希望に添えなかった場合は、ラミネートベニアなどその他の治療に変更することが可能です。

選択肢を残すことができる、元の状態に戻せることも治療としては大切であると考えています。