セラミッククラウンにおける形成と接着操作

15セラミッククラウン(eMAX Zr press Aadva)のケースです。

根管処置が終了しファイバーコアを植立し、ヘビーシャンファーにて形成を行いました。
形成は基本的に歯肉縁で形成しております。
なぜなら
・マージンラインの清掃性の確保
・歯肉溝浸出液の影響が少なく防湿が容易
・確実なセメントアウトが可能
・適合性の確認が容易
・その後の歯肉のリセッションが少ない
以上の理由から歯肉縁にて形成を行っております。審美的に厳しい場合は1mmくらい縁下に入れる時もあります。

私は基本的に二重圧排を行っており、写真は印象後なので1本とっています。症例によって違うのですが、私はがっちり圧排します。使用した印象材はケッテンバッハ社のパナジルで、親水性はシリコン印象材のなかでも抜群にいい方なのですが、やはりシリコンなので基本的に疎水性です。確実に歯肉縁下の印象を取るには圧排は必須です。(ちなみに圧排が手間ならエキスパジルや3Mの圧排ペーストでも結構いいですが、圧排コードが確実です)


AadovaのジルコニアフレームにeMAXをキャストオンしたeMAX Zr Pressで補綴物を製作しました。最近のジルコニアは透明性が飛躍的に向上しており、審美的観点からアルミナフレームで対応していた前歯部も、今ではジルコニアで十分対応可能です。

ジルコニアは基本的にどこの会社のブロックでも優秀ですが、ミリングマシンが非常に重要です。適合性が全く違います。

当医院のジルコニアのミリングマシンはGAM1000です。でかいです!

何億円するのだろうか・・・。

ロングスパンでもばっちり決まります。ジルコニアを発注する際は是非ミリングマシンの精度を気にしてください。


セットは全神経を集中させて行っております。一発勝負です!
まず気を付ける点が確実なプラークアウトです。いくら形成が素晴らしくてもセメンティング時にプラークが介在したら接着しません。私はエアフローにグリシンパウダーでプラークアウトを行っております。
もう一点重要なのが、プライマー塗布です。今回ファイバーポスト+CRで築造していますので、セラミックプライマーを支台歯に塗布しました。完全硬化したCRには未重合層がなく、そのままでは接着しません。セラミックプライマーを塗布することで、CR中のフィラーとの接着を確保できます。
そして最も大切なのが防湿です。レジンセメントは確実に防湿しないと接着しません。特にクラウンではラバーダムを使用することができないため、エアブローによる確実な乾燥が非常に大切です。
レジンセメントは本当に厄介者で、重合収縮量が大きく接着操作の不手際で容易にはがれます。過去のセメントではそこそこの防湿と合着操作でそれなりに維持できましたが、レジンセメントではそうはいきません。プラークアウト、プライミング、防湿などを確実に行わないと脱離や二次カリエスに直結します。


セメントの残留は百害あって一利なしです。歯肉炎や二次カリエスの原因になるばかりでなく、セメント周囲炎を引き起こす恐れがあるため確実なセメントアウトが必要です。使用したセメントはGC社のリンクエースです。予備重合でセメントがスルッと取れるのでたいへん重宝しております。

セット直後の写真です。マージンラインが気になると思うのですが、セット時にも圧排しているため、一時的なクリーピングです。

1ヶ月後の写真では歯肉ラインは上昇し、審美的に全く問題ありません。このように歯肉は動くものです。圧排によって一時的にラインが下がっても必ず生物学的幅径を維持します。