前歯部CRにおける審美的配慮

11、21のCR不適に対する審美的対応についてアップさせていただきます。前歯部CR充填の際の形態付与についてポイントを押さえておくと、本物の歯のように見えます。

患者さんによると他院で2~3年ほど前にCR処置の施術を受けたそうです。
今回は歯頚部の充填処置が必要であったため、説明・同意のもとラバーダムを使用せず、簡易防湿にて対応しました。

11の不良充填物および軟化象牙質除去後の写真です。審美的観点において弊害となりうる遊離エナメル質の除去も合わせて行っております。ベベルは若干ロングなラウンドベベルを付与しております。MIの観点から可及的に遊離エナメル質を保存すべき考えもあると思うのですが、今回は審美障害が主訴であることから、審美的形態を付与しやすいよう遊離エナメル質の除去およびベベルの付与を行いました。

充填後の写真です。ここで注目してほしいのが形態(キャラクタライズ)です。上顎中切歯唇側面は平ではありません。凹凸があります。

○で囲んだあたりが凹んでいます。上顎中切歯唇側面は外側と中央に山があるのです。この形態をササッと付与してあげるだけでグッと天然歯に近い形態を再現できます。

別の角度からです。光のスジに注目してください。山と谷があるのが分かると思います。平滑な充填では、目の錯覚で歯が大きく白抜けした印象になってしまいます。使用したCRはジーシーMIローフローAO3とMIフィルA3だけです。充填時にキャラクタライズしますが、極細目のダイヤモンドポイントとシリコーンポイントで研磨を含めたキャラクタライズも非常に大切です。

21不良充填物および軟化象牙質除去後の写真です。天然歯の裏打ちがない前歯部の充填は暗く抜けてしまいやすいので、材料選びに工夫が必要です。色調の選択はまた後日紹介します。

11を参考にシンメトリーになるよう細心の注意を払い充填しました。人間はどうしても比較してしまいます。切縁の形態、特に中切歯近心隅角は審美性を獲得するうえで非常にデリケートな部分です。ちょっとした角度の違いで印象が男性的にもなり、女性的にもなります。段差や角度の違いは患者さん本人だけでなく、周囲の人も気づく大変重要な部分ですので、是非神経をすり減らしてシンメトリーに仕上げてください。
中切歯近心隅角部のコツは形態修正にあります。極細目のダイヤモンドポイントとシリコーンポイント中目で大雑把に形態付与を行い、ジーシー社エピテックス、松風社ポリストリップス、3M社ソフレックス研磨ディスクなどで地道に形を整えていきます。
即日で患者さんの笑顔が変わりますよ!喜んでもらえるのは本当にうれしいですし、この瞬間が生きがいです。