ジルコニアブリッジによる前歯部補綴

13から23にかけて、審美障害の主訴に対して、Aadvaジルコニアフレームを用いた審美補綴の1ケースです。

13から23にかけてBr前装部破損が認められます。正中部にも空隙が認められます。


除去後~形成後の写真です。Brは力学的観点より正中部で分割する2ピースで行うこととしました。

形成は審美的観点より歯肉縁下1mmにマージンラインを設定しました。

また、生活歯である点と唇側クリアランスを十分確保できる点から、やや深いシャンファーにて形成を行いました。

Scallop lineは本人が特に意識していない点と歯肉整形術に同意を得られなかったため、現状のラインで補綴処置に移行しました。

印象はジーシーのフュージョンⅡを使用しました。親水性が高く歯肉縁下の印象までしっかり採得することが可能です。

他社製品と比較してボディの硬化後の柔軟性が高く、今回のように前庭部アンダーカットに印象材が深く入っても、

患者さんに不快感を与えずに印象材の撤去が可能です。
ちなみに、シリコン印象では印象材撤去後ただちに石膏を注入するのは好ましくないと考えております。

歪の解放と付加重合による副産物である水素ガスの影響を避けるためです。

臨床的に大きな影響はないのですが、避けることができる不安要因は極力排除すべきです。

色調は本人が明るい印象を希望したため、下顎前歯よりシェードを上げて製作しました。

フレームはAadovaのジルコニアです。

一時期のジルコニアはオペーク感が強すぎたため、前歯での使用を躊躇していました.

しかし最近では透明度が著しく向上しているため、安心して審美補綴に応用することができます。

もちろん適合性も素晴らしいです。技工士さんに感謝です!

テンポラリー除去・歯面清掃が終わった後の写真です。

特に生活歯において適切な歯面清掃をおこなわないと、接着がうまくいかず、歯髄症状を誘発しかねません。

歯科医学が発達し、より良い製品が次々と登場しておりますが、基本は常に一緒ではないでしょうか。合着前に歯面清掃を行うことは30年前の補綴の教科書にも記載があります。

 

症例数を重ねてもセットには非常にナーバスになります。一発勝負です。
どんなにいい形成をしても、どんなにいい補綴物でもセットで失敗したら今までの治療行為は意味をなさないです。
大型の補綴になればなるほど、セメンティングは難しくなります。今回は2ピースで製作したので、一度に必要な接着歯は2歯です。

私はジルコニアBrにおいてデュアルキュア型レジンセメントを使用しております。

セメント操作時間は2分くらいですが、予備重合で光照射を各歯面約0.5秒行うため、重合が一気に進みます。

そのため実際の操作時間がかなり短くなります。

予備重合をすばやく行うのと同時にすばやくセメントアウトして、といったアシスタントとの阿吽の呼吸が必要になります。

Brではポンティック部にセメントを取りこぼしやすく、細心の注意が必要です。

セメントアウトに気を取られ過ぎると、補綴物の浮き上がりを誘発しかねません。ここで動いたら元も子もないです。

11歯肉縁部の着色がやや気になりますが(歯肉炎ではあありません。写真で確認できることではスティップリングがみられます。)

非常に審美的に仕上がりました。患者さんにも大変喜んでいただけました。

お正月は楽しいことがたくさんあると思います。いっぱい笑ってほしいです!