CR充填による咬合面形態付与

大臼歯部class1のCR充填は審美充填において最も簡単なケースです。

 

なぜなら解剖学的形態を再現するだけでいいからです。

 

スピルウェイと隆線をミスマッチのないように再現するだけで、高い審美性を獲得できます。

 

 

 


審美的理由よりインレー除去を行い、CRへの置換処置を図りました。

 

 

 


近年のコンポジットレジンは接着力の向上と高い曲げ強さを有し、臼歯部においても問題なく使用可能です。


私の使用しているジーシーMIフィルは約150MPaの曲げ強さを有しており、

 

咬頭を含まなければ十分以上に機能します。

 

フロアブルでこれだけの曲げ強さを持ち、加えて研磨性にも優れております。

 

さすがmade in Japanです!日本のCRは各国よりずば抜けて優れていると実感しております。

 

 

 


下顎大臼歯部の審美充填ではラバーダムは必須です。

 

充填に時間がかかるため、唾液の侵入や呼気の湿気をコットンロールだけで防ぐことは不可能です。

 

加えて頬粘膜や舌など繊細な組織に囲まれているため、器具操作を誤ると障害を与えかねません。

 

逆に言うとラバーダムさえ適切に行えば、その予後は歴然であると思います。

 

 

 


臼歯部のCR充填のコツは窩底にフロー性の優れるCRをライニングし、1咬頭ずつ丁寧に作り上げるだけです。


色調は窩壁歯質の色をCRが拾うため、単色充填でも色調の調和を得やすく、レイヤリングはほとんどおこないません。

 

 

小窩裂溝の着色をステインで再現することもできるのですが、

 

患者さんからすると白いきれいな歯を求めている点と、

 

形態の再現で小窩裂溝が陰で暗く見えるため、必要性をあまり感じておりません。

 

医療者側の視点と患者さんの視点の違いだと思います。

 


審美充填はその場で劇的に変わります。患者さんのびっくりする笑顔がうれしいですね!